映画『ハンターキラー 潜航せよ』感想とあらすじ

『ハンターキラー 潜航せよ』は、潜水艦戦を題材にしたアクション映画であり、アメリカ映画らしい大胆な発想と娯楽性に満ちている作品。

感想

作品は根拠のない部分も多いが、だからこそ現実の戦争ではなく「映画」という安全な場で、国家間の対立や戦争の恐怖を疑似体験できる点に価値がある。

派手なCGやご都合主義的な展開もありますが、それを補って余りある緊張感とテンポの良さがあり、2時間を飽きさせません。特に潜水艦同士の駆け引きや、特殊部隊の地上作戦と水中戦が並行して描かれる構成、潜水艦戦の描写は緊張感に満ち、ソナーの妨害、魚雷回避、氷下からの奇襲などは、常に「次はどうなるのか」と引き込んでくれる魅力がありました。

もちろん、現実的に考えれば数時間で数千キロを潜航するなど無理のある描写など非現実的な部分も目立ちます。しかし、これはドキュメンタリーではなくエンターテインメント映画。細部のリアリティよりも、スリルとカタルシスを優先した作りだと割り切れば十分に楽しめます。

主演のジェラルド・バトラーは、型破りながらも冷静沈着な艦長を堂々と演じ、亡きミカエル・ニクヴィストは最後の出演作として存在感を残しました。ゲイリー・オールドマンの出番は少ないものの、緊張感を高める役割を果たしています。

肩の力を抜いて観れば、王道のスリルと娯楽性を味わえる一本でした。

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物語の起承転結(ネタバレあり)

アメリカの原潜「タンパベイ」がロシア近海で消息を絶つ。新任艦長ジョー・グラス(ジェラルド・バトラー)が「アーカンソー」に乗り込み、調査に向かう。

現場で沈没した米潜水艦とロシア潜水艦を発見。さらに生存者の中にロシア艦長アンドロポフがいた。並行して、米海軍特殊部隊がロシア基地を偵察し、防衛大臣ドゥロフによるクーデターと大統領誘拐を確認する。

グラス艦長はアンドロポフと協力し、氷下の危険な航路を突破してロシア基地へ。特殊部隊は大統領救出作戦を決行し、両者の行動が合流する。米露双方の軍が一触即発となる中、グラスは冷静な判断で戦闘を回避しようとする。

最終的にロシア大統領は救出され、クーデターは失敗。米露の艦長が互いを認め合う形で物語は幕を閉じ、第三次世界大戦の危機は回避される。

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