映画『ライフ』感想とあらすじ

映画『ライフ』は、国際宇宙ステーションを舞台に、火星から持ち帰られた微生物が急速に進化し、やがて人類を脅かす存在へと変貌していく物語です。

感想

映像面では無重力空間の描写や生物デザインが非常にリアルで、特に「カルヴィン」と名付けられた生命体の成長過程は不気味でありながらも目を離せませんでした。序盤の緊張感は素晴らしく、未知の生命との接触がもたらす興奮と恐怖がよく表現されていたと思います。映像面では無重力空間の描写や宇宙ステーション内部の美術設計、そして豪華キャストによる緊張感ある演技が光り、一気に非日常の世界へと引き込みます。

一方で、登場人物たちの行動には疑問が残りました。科学者や宇宙飛行士としては不自然な判断や感情的な行動が多く、少し白けさせてしまう場面もありました。特に休眠状態になったときに電気ショックを与えることで蘇生させるところは、興ざめしてしまった。

また、物語が進むにつれて「カルヴィン」の能力が都合よく拡張され、説得力を欠いた印象も否めません。個人的には宇宙という緊迫した環境の中では、もう少し現実的で科学的リアリティがほしかったと感じた。なので、知的に楽しもうとする人にはあまりおすすめできません。

それでも、作品全体としては緊張感とスピード感に満ちており、最後まで飽きさせない力を持っています。特にラストの「入れ替わり」の結末は、予想できた人も多いかもしれませんが、後味の悪さと恐怖を残す点で印象的でした。この作品は決して傑作ではないものの、宇宙という閉ざされた環境でのサバイバル・ホラーとして十分に楽しめる作品だと思います。



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物語の起承転結

火星探査機から持ち帰られた土壌サンプルをISSで分析したところ、休眠状態の単細胞生物が発見される。研究者たちはそれを「カルビン」と名付け、再生・成長させることに成功する。

カルビンは急速に進化し、知性と攻撃性を示し始める。最初の犠牲者が出ると、乗組員たちは隔離や駆除を試みるが、無重力環境を自在に動き回るカルビンに翻弄され、次々と命を落としていく。

ステーションは損傷し、地球への落下の危機に直面する。生き残ったクルーは、カルビンを地球に到達させないため、自己犠牲を覚悟した作戦を立てる。二人の生存者がそれぞれ脱出ポッドに乗り込み、一方はカルビンを宇宙の彼方へと運び去る役割を担うはずだった。

しかし計画は失敗し、カルビンが潜むポッドが地球に帰還してしまう。救助に駆けつけた人々は、内部に閉じ込められた宇宙飛行士と怪物を目撃しながらも、無邪気にハッチを開けようとする。物語は、人類への破滅的な未来を予感させながら幕を閉じる。

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